東大阪のように中小企業や医療クリニック、福祉施設、製造業が多い地域では、事業承継の際に「税理士」と「社会保険労務士(社労士)」をどう活用するかが成功のカギになります。それぞれの専門性が違うため、相談内容を分けておくと効率的で安心です。
◆ 税理士に相談すべきこと
- 事業承継税制や相続税対策
- 自社株を子どもや後継者に譲る際の贈与税・相続税のシミュレーション。
- 「事業承継税制」を利用した税負担の軽減。
- 過度な節税ではなく、税務署に認められる安全な承継方法の提案。
- 株式評価・会社の資産評価
- 自社株の評価額を算出し、後継者に渡すときの税コストを見積もる。
- 東大阪では製造業や不動産を持つ企業も多く、資産評価の調整が特に重要。
- 資金繰り・銀行対応
- 承継時に必要となる納税資金や運転資金をどう確保するか。
- 銀行との交渉資料の作成や、承継後の融資戦略。
- 法人形態や組織再編
- 医院や福祉施設の場合は医療法人化や社会福祉法人化の是非。
- 会社分割や持株会社の設立など、将来を見据えた組織再編。
◆ 社会保険労務士に相談すべきこと
- 従業員の雇用継続・労務リスク管理
- 事業承継に伴う社長交代で従業員が不安にならないように、雇用契約や就業規則の見直し。
- 「労務トラブルが起きない承継手順」のアドバイス。
- 役員・従業員の給与体系・退職金制度
- 承継に合わせた役員報酬の再設計。
- 長年勤めてくれた従業員への退職金制度や功労金の整備。
- 公的年金や社会保険と組み合わせた負担軽減策。
- 社会保険・労働保険の手続き
- 代表者交代時の社会保険・雇用保険の変更手続き。
- 福祉施設や医療機関では職員数が多いため、ミスなく処理することが重要。
- 人材確保と後継者のサポート体制
- 承継後に離職を防ぐための人材定着策。
- 若手従業員を将来の幹部候補に育成するための人事制度設計。
◆ 税理士と社労士の連携が必要な場面
- 退職金の設計:税理士は「税金面からの有利な支払い方法」を考え、社労士は「労務規程や制度の整合性」を整備。
- 役員報酬の見直し:税理士は「法人税や所得税の最適化」を、社労士は「社会保険料負担の適正化」をアドバイス。
- 承継後の組織体制づくり:税理士は「財務の安定」を、社労士は「人の安定」を重視して支援。
◆ まとめ
東大阪で事業承継を行うとき、
- 税理士には「数字・税金・資金」の相談を、
- 社労士には「人・労務・制度」の相談をするのが基本です。
この二人をうまく組み合わせることで、税金面だけでなく「従業員の安心」「承継後の経営の安定」を確保できます。特に地元に根差した事業では、従業員の不安を抑え、金融機関の信頼を得ることが成功のカギになるのです。
東大阪の事業承継で税理士・社労士に聞くべき具体的な質問リスト
東大阪で事業承継を進めるときに、税理士と社会保険労務士にどんな質問を投げかければ、抜け漏れなく安心できるか ― をリスト化しました。実際に面談の場で使えるよう、チェックリスト形式でまとめています。
✅ 東大阪の事業承継で税理士に聞くべき質問リスト
◆ 税金・資産に関すること
- 自社株の評価額はいくらになりますか?
- 事業承継税制を使える条件を満たしていますか?利用すべきですか?
- 相続税・贈与税を最小限にする方法は何がありますか?
- 不動産や設備を承継する際、税金上の注意点はありますか?
◆ 資金繰り・納税資金に関すること
- 承継に伴い、どのくらいの納税資金が必要になりますか?
- その資金をどうやって準備すべきですか?(融資・保険・積立など)
- 金融機関に見せる事業承継用の計画書を作ってもらえますか?
◆ 法人・組織の形に関すること
- 医療法人や社会福祉法人にするメリット・デメリットは?
- 持株会社の設立や会社分割は必要ですか?
- 承継後の法人税や所得税の負担はどのくらい変わりますか?
◆ 税務調査・リスク管理に関すること
- 承継に伴う税務調査のリスクはありますか?
- 過去の会計処理に問題があった場合、承継前に整えるべきことは何ですか?
✅ 東大阪の事業承継で社会保険労務士に聞くべき質問リスト
◆ 従業員・人材に関すること
- 社長交代に伴い、従業員への説明はどのようにすべきですか?
- 従業員の離職を防ぐために、どんな人事制度を整えたら良いですか?
- 若手従業員を幹部候補として育てる仕組みを作れますか?
◆ 給与・退職金制度に関すること
- 承継後の役員報酬は、社会保険料と税金の両面でどの水準が最適ですか?
- 従業員の退職金制度をどう設計・見直すべきですか?
- 長年勤めた社員への功労金や退職金をどう整備すればよいですか?
◆ 社会保険・労働保険に関すること
- 代表者交代時に必要な社会保険・雇用保険の手続きは何ですか?
- 福祉施設や医療機関のように職員数が多い場合、注意すべき点はありますか?
- 厚生年金・健康保険の適用範囲を見直す必要はありますか?
◆ 労務トラブル防止に関すること
- 承継に伴い、就業規則を変更すべき点はありますか?
- 退職希望者が出た場合、適切な対応手順はどうなりますか?
- 労基署の調査や残業代請求のリスクを下げるにはどうすれば良いですか?
🔑 ポイント
- 税理士 → 数字・資産・税金・資金繰りの質問
- 社労士 → 従業員・人事制度・労務リスクの質問
このように整理しておけば、承継を「お金の面」と「人の面」の両方からバランスよく進められます。