クラウド会計のfreeeとマネーフォワードの比較、そして、新興のクラウド会計のソフトと、旧来の弥生会計ソフトの比較

以下に、クラウド会計ソフトの代表格である「freee(フリー)」と「マネーフォワード」を中心に比較し、その後に新興クラウド会計ソフトと旧来の弥生会計ソフトの比較についても詳しく解説します。


1. クラウド会計ソフト「freee」と「マネーフォワード」の比較

① 基本的な特徴と使いやすさ

  • freee(フリー)
    freeeは日本国内で急速にユーザー数を伸ばしているクラウド会計ソフトの一つで、特に個人事業主や小規模事業者に向けて設計されています。画面がシンプルで直感的に操作できるため、会計初心者でも使いやすいのが強みです。スマホアプリの使い勝手も良く、外出先からの入力や確認がしやすい点が評価されています。
  • マネーフォワード
    マネーフォワードはfreeeに比べるとややビジネス向けの機能が充実しており、個人事業主から中小企業まで幅広く対応しています。特に多様な金融機関との連携数が業界トップクラスで、銀行やクレジットカード、電子マネーなどとの連携による自動仕訳精度が高いのが特徴です。画面は機能が多い分やや複雑ですが、カスタマイズ性や詳細な帳簿管理が可能です。

② 銀行・クレジットカード連携の精度

  • freeeも多くの金融機関と連携していますが、マネーフォワードのほうが連携先が豊富で、特に地方銀行や信金、ネット銀行の対応が充実しています。そのため、入出金の自動取り込み・仕訳の精度で差が出やすい傾向があります。

③ 自動仕訳機能の精度と学習能力

  • 両者ともAIを活用した自動仕訳機能を持ち、使うほどに学習して精度が向上します。freeeは特にシンプルな取引に強く、マネーフォワードは複雑な取引にも対応できるため、経理経験者にはマネーフォワードの方が細かいカスタマイズがしやすいという評価があります。

④ 料金体系

  • freee
    個人事業主向けのプランは月額約1,200円〜、法人向けは月額約2,380円〜と比較的リーズナブル。機能制限がある無料プランもあります。
  • マネーフォワード
    個人事業主プランは月額約1,280円〜、法人向けは月額約3,980円〜とやや高めの設定ですが、その分機能やサポートが充実しています。

⑤ サポート体制

  • freeeはチャットサポートや電話サポートを提供し、初心者向けにわかりやすいヘルプが充実しています。
  • マネーフォワードは電話・チャットに加え、オンラインセミナーや税理士紹介サービスも充実しており、企業成長に伴う税務相談ニーズに対応しやすいです。

⑥ 連携サービスや拡張性

  • freeeは人事労務管理(freee人事労務)や請求書発行サービスなど自社製品との連携がスムーズ。
  • マネーフォワードは販売管理や給与計算、経費精算サービスなど多彩な連携が可能で、全社的な経営管理システムとして拡張できます。

2. 新興クラウド会計ソフトと旧来の弥生会計ソフトの比較

① ソフトの性質

  • 弥生会計(旧来のデスクトップ型)
    長年日本の中小企業の会計ソフトとして圧倒的なシェアを誇るデスクトップアプリケーションです。パソコンにインストールして利用し、データはローカルで管理します。細かな会計処理に対応でき、税務申告書作成機能も充実していますが、クラウドの利便性には劣ります。
  • 新興クラウド会計ソフト
    freeeやマネーフォワードに代表されるように、インターネット経由で利用するクラウド型会計ソフトが増えています。常に最新バージョンが使え、データはクラウド上に保存されるためバックアップ不要で、複数人での同時アクセスが可能です。

② 導入・運用の容易さ

  • 弥生会計はインストールやバージョンアップに手間がかかることがあり、パソコン環境の影響も受けやすいです。
  • 新興クラウド会計はブラウザやスマホアプリで簡単にアクセスでき、アップデートは自動で行われるため導入・運用が圧倒的に楽です。

③ 機能面の違い

  • 弥生会計は伝票起票や細かい勘定科目設定、決算書作成などの伝統的な会計処理機能が充実しており、細部にわたるカスタマイズが可能です。
  • 新興クラウド会計は自動連携やAI仕訳、自動での確定申告連携など、最新技術を活かした効率化機能に優れている反面、細かいカスタマイズは制限される場合があります。

④ 価格体系

  • 弥生会計のデスクトップ版は買い切り型が中心(年間保守費用あり)で、長期間使い続ける場合はトータルコストが抑えられることもあります。
  • クラウド会計はサブスクリプション(月額や年額課金)方式が主流で、機能追加やアップデートが含まれていますが、長期的には費用がかさむ可能性があります。

⑤ セキュリティとデータ管理

  • 弥生会計はデータがローカルに保存されるため、自社でのバックアップ管理やセキュリティ対策が必要です。
  • クラウド会計はプロのクラウド事業者が強固なセキュリティ体制で管理し、災害対策も万全。インターネット接続があればどこでも利用可能です。

⑥ サポート体制

  • 弥生会計は老舗のため、専門のサポートセンターが充実しており、書籍やセミナーなどの情報資源も豊富です。
  • 新興クラウド会計はオンラインヘルプやチャットサポートが中心ですが、最近では電話対応も強化されてきています。

【まとめ】

比較項目freeeマネーフォワード弥生会計(旧来型)新興クラウド会計ソフト
対象ユーザー個人事業主〜小規模法人個人事業主〜中小企業中小企業〜会計専門家個人事業主〜小中規模法人
操作性シンプルで初心者向け機能多めで中上級者向け専門的で細かいカスタマイズ可能直感的で効率重視
連携可能金融機関数多い業界トップクラスなし(手入力中心)多い
自動仕訳の精度高いより高度なし高い
導入形態クラウドクラウドデスクトップクラウド
価格体系サブスク(月額・年額)サブスク(月額・年額)買い切り+保守費用サブスク(月額・年額)
バックアップ・データ管理クラウド上で自動管理クラウド上で自動管理ローカル管理、ユーザー管理が必要クラウド上で自動管理
サポートチャット・電話サポート、ヘルプ充実チャット・電話・セミナー、税理士紹介あり専門のサポートセンター、書籍も豊富オンライン中心、電話対応強化中
拡張性・連携サービス自社人事労務サービスなどと連携強化経費精算・販売管理など多彩な連携が可能会計に特化、他システム連携は限定的多様なクラウドサービス連携

最終的に選ぶポイント

  • 操作の簡単さやスマホ対応重視なら「freee」
  • 機能充実・多様な金融機関連携や企業成長を見据えるなら「マネーフォワード」
  • 細かい会計処理や長年の実績を重視し、オフライン環境を希望するなら「弥生会計(デスクトップ版)」
  • 最新のクラウド技術を活かし効率化を優先するなら「新興クラウド会計ソフト」